最高裁判所第一小法廷 昭和30(オ)795 判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理 由
上告理由第一点について。
原審は論旨の摘録するとおりの事実を確定し、この事実関係に基ずき、本件和解
の締結は上告人の真意の表示によるものであり心裡留保に出でたものでないと判示
した趣旨であることを窺い知ることができる。そしてこの判示はその基本たる事実
関係に照らし首肯することができる。論旨は畢竟原判旨に副わない事実を前提とし
て法令違反を主張するもので採るを得ない。
同第二点について。
原審は本件和解契約は所論のような停止条件附になされたものではないと認定し
ているのであり、この事実認定はその挙示する証拠に照らし肯認することができる。
所論は原審が適法になした事実認定を非難するに帰する。なお、論旨にいうような
法律行為の要素に錯誤ありとの主張は、原審でなされた証跡なく、当審において新
たに主張するものであるから、論旨は採るを得ない。
同第三点について。
原審の確定した事実関係の下で原審が本件契約を和解であり、贈与でないと判示
したことは正当と認められる。原判示には所論のような違法はなく論旨は採るを得
ない。
よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
最高裁判所第一小法廷
裁判長裁判官 岩 松 三 郎
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裁判官 真 野 毅
裁判官 斎 藤 悠 輔
裁判官 入 江 俊 郎
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